vol.2 経営者が知っておくべき財務情報

 日頃、経営者の皆様に対して、財務分析資料をもとにお話をさせていただく機会が多いのですが、その際によく聞かれるのが「日頃、どのような所を重点的に見ておいたらいいですか?」という質問です。 それに対して私がオススメしているのは、次のポイントです。

(1)毎日(一週間、半月単位でもOK)のお金の動きを経理担当者から簡易資料にまとめてもらって、報告してもらう。

これは、会社のお金の動き、現在の現金残高を把握する為に行なうものです。

(2)試算表の額と率を見る。

経営者は、売上高や利益金額にとらわれがちですが、同時に率(売上総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率)という点にも注意を向けて、率が増減する原因をつきとめる。

(3)債権の未回収を確認する。

売掛金や受取手形の残高を随時経営者自身が確認することで、請求漏れや未入金の事実を確認してもらい、債権回収に対する意識を社内で確立させる為です。

(4)借入の残高、毎月返済額を確認する

金融機関と交渉する際、やはり最終決済権限は社長に帰属します。となると、日頃からどのような融資条件の下で借入をしていて、毎月いくらの元金を返済し、現段階でいくらの借入残高があるのかを経営者自身が把握する為です。

(5)向こう1ヶ月間の資金繰り計画を確認する

自社の資金繰り状況が、向こう1ヶ月間でどのように推移するのかを確認することで、金融機関との交渉や、仮に資金ショートが発生する可能性がある場合は、前もって対策を講じることが可能になります。

他にも挙げればキリがありませんが、まずはこの5点について、注力してもらえたらと思います。

 不思議なことですが、経営者自身がこれらの財務面に関心を持つだけで、日頃から資金繰りに対する意識が根付くことになります。

 すると、財務を意識した経営に取り組んでもらえるようになります。財務が全てではありませんが、数字を見ずにただやみくもに営業や商品開発を行なうのではなく、予算や実績数値を意識しながら 経営を行うことで、自然と数字を意識した経営が可能になるのです。

 経営者の方は、上記(1)~(5)を明日から早速実践してみてください。経理担当者の方は、上記(1)~(5)を経営者が理解できるように、資料を整備してあげてください。
 そうすれば、自ずと財務に強い会社にステップアップできます。