vol.11 自社に役立つ会計情報

 日頃、皆さんが目にされる試算表や決算書は、『財務会計』という考え方に基づいて作成されています。

 この、財務会計とは、外部の利害関係者(株主、投資家、銀行、リース会社、取引先など)に対して、会社の財務状況を的確に伝える制度のことです。

 当然、外部の利害関係者も、他の会社や、その会社の過去の試算表・決算書との比較を行ないますので、客観的に同一のルールで資料を作成する事が義務付けられています。「法律で決まった資料」といったところでしょうか。

 ですが、中小企業の経営者からすると、非常に見づらいという一面を持っているのも事実です。

 実際には、多くの中小企業経営者が、試算表や決算書の内容を完全には理解できていないのではないでしょうか。

 自分で理解できない資料をもとに、その資料から問題点を探り出して、解決策を考えろ!と言われても、到底無理な話です。

 では、どのようにすればいいのでしょうか?
 そのヒントは『管理会計』に隠されています。

 この管理会計は、財務会計と対照的に「自社の経営に役立つ会計情報を経営者・幹部に提供すること」といわれるものです。

 管理会計にも、原価計算や予算管理といった数多くの計算手法がありますが、これも管理会計の分野において、ほんの一例にしか過ぎません。
 なぜなら目的は、あくまで「経営に役立つ会計情報を提供すること」にあるからです。

 例えば、勘定科目が見づらい(見てもあまり理解できない)という経営者の場合であれば、「旅費交通費」という勘定科目よりも「ガソリン代」「電車代」「タクシー代」「出張旅費」といった科目を使って、どれぐらいの経費がかかっているかをわかりやすくするのも一つの方法です。

 また、店舗別や部門別・個人別の資料が見たいのであれば、個人別の売上・経費一覧表を作成するのもいいでしょう。

 このように、管理会計は財務会計と異なり、非常に幅の広い分野の会計ということができます。

 皆さんの会社でも、試算表や決算書とにらめっこをしているだけでは、なかなか会社の収益状況や財務状況を理解することは難しいと思います。

 これを機会に、自社の経営状況を把握できる資料作りに取り組んでみて下さい。