vol.15 二分の一理論

 中小企業が、財務改善に取り組む中で、多くの時間を割くのが、「固定費の削減」です。

 ですが、中途半端に固定費を削減しようと試みたとしても、抜本的な成果が出ないことが多々 あります。

 それは、例えば「固定費を削ろう!」と思ったとしても、これまでかけた経費をどれだけ削ら なければならないのか、その達成基準が不明確なためです。とりあえず、削れそうな経費があれば削ってみるという考えでは、抜本的な固定費管理は難しいといえるでしょう。

 では、固定費の見直しはどのように進めればいいのでしょうか?

 このポイントが、「二分の一理論」の考え方です。

 これは、製品の保管庫が50坪あった場合、これを25坪のスペースだけで保管できないか? と考えたり、100名の工場スタッフで取り組んでいる仕事を50名で取り組めないか?と考え たり、事務所にある机10台を5台に減らして仕事を進める事ができないか?と考えたり、残業 時間が一人当たり月80時間かかっているものを半分の40時間にできないか?と考えたりする 方法です。

 この方法の特徴は、①具体的な目標が決まること、②既存の考えの延長線上では、目標を達成する事が困難なため、抜本的に考え方を転換させることが必要になる、といった点があげられます。

 我々は、日頃何かを改善しようとしても、現状の固定観念に基づき、その延長線上で何かを 改善しようと考えがちです。言い換えれば、極力変化を伴わずに、物事を上手に改善する方法 はないかと考えがちだということです。

 これでは、大きな成果を見込むことは困難です。

 そこで、現状の考えを一から見直し、少々の改善では手が届かない範囲の目標を設定することで、「既存の考え方では目標を達成することは困難だ!」と意識付けができ、「今までにない斬新なアイデアや技術革新で目標を達成しよう!」という心理が働きやすくなります。

 実際に、この考え方を取り入れられて、多くの成果を挙げておられる会社はたくさんあります。
みなさんの会社でも、固定費を見直す際は、是非この考え方を取り入れてみて下さい。

 ちなみに、売上を見直す際は、この逆で、「現時点での売上を2倍にするには?」という コンセプトで考えた方が、より良いアイデアが生まれるそうです。

 売上、変動費、固定費を改善して、適正利益の獲得を目指しましょう。