vol.26 金融機関への情報開示

 先日、お客様が金融機関と交渉される際に、当社が毎月提供させて頂いている 月次財務報告書をそっくりそのまま渡してきたとの連絡を頂きました。

「資料に対する反応がよかったよ」
「追加で出して欲しい資料もないみたい」
「銀行の担当者と話するのに、資料を準備する必要がなくて助かったよ。ありがとう」
「エムズファクトリーの名前も銀行の担当者に売っといたから」

とのメッセージも頂きました。ありがとうございます。

 当社が作成して、お客様に提供している月次財務報告書については、社内向けの 財務管理情報としてだけでなく、金融機関の担当者が提出して欲しいと思っている項目も踏まえて作成しています。

 ですので、金融機関担当者からすると、「欲しい情報が手に入った」ことになるので、 稟議を書いたり、上司に決裁をとったりするにしても、事が運びやすくなります。

 金融機関の立場=お金を貸す立場ですので、

 ・試算表・決算書を速やかに提出してくれる
 ・欲しい情報・資料も速やかに提出してくれる
 ・社内の数値管理が徹底している
 ・経営計画書で今後の事業展開と数値計画が明確にされている
 ・損益計画だけでなく、資金繰り計画についても検証している
 ・月次試算表の精度が高い(減価償却や賞与等の年払経費の月割)

といった内容を融資先である中小企業に求めています。

 ですが、多くの中小企業では、これらの金融機関のニーズに対応しきれていないのが 現状です。

 当社では、このような状況の中小企業に対して、財務コンサルティングサービスを提供 させて頂いていますが、経営者や経営幹部だけでなく、取引金融機関からもよく お問い合わせを頂きます(もちろん、経営者に了解を得た上で、回答させて頂いています)。

 数字がわかりやすくなると、融資担当者も自分勝手な融資提案ができなくなりますし、 本当にその企業に見合った融資の実行に向けて協力的な金融機関とのみ取引をして頂く ことになるのです。

vol.25 債権回収会議

 皆さんの会社では、与信管理や債権回収について、どのような取組みをしておられますか?

 飲食店や理美容業など、大半が現金回収できる商売を除き、製造業、卸売業、小売業、 サービス業など、多くの会社で、売掛金や受取手形といった売上債権の回収が重要な業務と なっています。

 ところが、具体的に債権管理について万全の取組みをしている中小企業は、驚くほど、 数が少ないです。

 しかも、債権の回収が入金サイトより遅れたとしても、何のアクションも取らない会社も あります。

 資金繰りで悩んでいるにも関わらず、このような中小企業が多いのはなぜなのでしょうか?

 不思議ですよね。

 これは、やはり「財務部門」がエアポケットになっているケースが多いからだと思います。

 単純なことかもしれませんが、
1)予防策を講じる(与信管理ルールを決定する)
2)得意先の〆日、入金日の確認
3)〆日ごとに請求書の発行、そして入金日ごとに入金確認
4)未入金先のピックアップ、回収方法を協議
5)回収担当者が、会社指定の回収方法で回収活動実施
6)延滞債権や与信枠の増大を必要とする得意先については
 未回収会議で確認、活動方法を協議
 このような手順を踏めば、中小企業であっても債権管理は実践できます。

 特に6の未回収会議は、非常に有効です。
 営業担当者や経理担当者任せにせず、経営者自身がこの会議に参加し、経営者の指揮の下で債権管理を実践して下さい。

 そうすれば、自ずと債権の回収率はアップします。

 みなさんの会社では、全ての債権が正常債権になっていますか?

 少しでも延滞債権がある会社、過去に得意先の破産等を経験しておられる会社は、即座に 経営者主導の下で債権回収会議を開催して下さい!

vol.24 会計ソフト入力効率アップ方法

 私は、中小企業の財務を強くしようと思うのであれば、会計ソフトを有効活用する 事がまず第一だと考えています。

 いわば、会計ソフトを活用した経理システムの構築です。

 というのも、キャッシュの残高推移や、債権管理、予算と実績との対比データにしろ、 会計ソフトの使い方次第で簡単に管理することができるからです。

 中小企業でも、会計ソフトの導入が一般化してきているように感じますが、同時に、 会計ソフトを導入したからといって、経理業務自体が効率化されているかというと、 まだまだそこまで有効活用されていないのが現状ではないかと思います。

 会計ソフトを使って業務効率を上げる方法は大きく二つあります。

①伝票を手書きすることをやめる

 これは、昔から経理を担当しておられた方に多くある傾向ですが、「伝票を書いて いないと不安だから」「会計ソフトに万一のことがあった場合に確認できる資料が 欲しいから」との考えから、従来どおりの手書き伝票のスタイルをそのまま残した上 で、伝票入力を会計ソフトに行なうというものです。

 これでは、せっかく会計ソフトを導入しているのにも関わらず、一向に業務は減りません。むしろ、入力時間分だけ生産性が落ちていることになります。

 経理担当者の気持ちも理解できなくもないですが、昨今の会計ソフトの性能や バックアップの方法さえきっちりしておけば、何も問題はありません。

 社内で伝票(入金・出金・振替)を手書きで活用しておられる会社があれば、社長 自らが率先して、伝票廃止の方向で経理業務の改善を指示して下さい。

②仕訳バインダ(仕訳辞書)を徹底的に登録して、仕訳の効率を上げる

  さて、ここからが本題です。

 会計ソフトの機能で注目すべき機能に、「仕訳バインダ(仕訳辞書)」の登録があります。

 これは、毎回同じ仕訳内容を事前に登録しておいて、その仕訳が発生した際に、 仕訳バインダをクリックするだけで、指定する仕訳が出てくるシステムに なっています。

 給与計算の仕訳や売上計上、仕入計上など、仕訳の大多数が毎月のように定期的に 発生する仕訳です。

 これらの定型仕訳を登録しさえすれば、毎月の仕訳の速度が大幅にあがります
(しかもバインダをもとに入力しているので、正確に処理されます)

 この機能、実は大変素晴らしいものなのですが、あまり有効活用されていないことが 多いようです。

 その理由の大半が「仕訳自体を理解しているので、登録する必要が無い」だとか 「忙しいし、そのような登録をするのは、めんどくさい」といったものです。

 会社とすれば、経理担当者に一任している処理(仕訳)を、経理担当者しか理解 していないということは、非常にリスクがあります。

 経理業務改善の主目的の一つに「誰から見てもわかりやすい処理をする」という ものが挙げられますが、この場合、「経理担当者しかわからない」ということは この原則に反することになります。

 みなさんの会社では、この仕訳バインダを活用しておられますか?

 業務効率を検討しておられる方や、経理担当者の引継ぎを進めておられる方などに とってはオススメの方法なので、是非導入してみてください。

vol.23 在庫管理

 会社の管理項目の中で、最も難しい管理項目が、この「在庫管理」ではないかと思います。

 何が難しいか?と言いますと、主に以下の4点が理由として挙げられるからです。

1)在庫の数を適正に数えないといけない
  →数え間違いがあると、利益金額に影響します。
   まずは、現場で正確な在庫数を把握する必要があります。とは言っても、
   中小企業で社内にある在庫を数えるという行為自体が、大変な労力を
   伴う場合が多いです。
   商品アイテム数が多い会社の場合は、それが顕著にあらわれます。

2)在庫の金額を正確に計上しないといけない
  →簿記を学んだことのある人なら、記憶にあるかもしれませんが、在庫の商品や
   材料で同じものを仕入れたとしても、時期によって、仕入単価が異なります。
   これらの単価を、どのように評価するのか、会社の計算ルール(先入先出法や
   移動平均法といった計算方法のことです)に基づいて正確に計上しなければ
   なりません。

3)帳簿棚卸と実地棚卸の差異を確認しないといけない
  →せっかく、正確な単価、正確な数を確認したとしても、それらはあくまで
   帳簿上の棚卸在庫にしか過ぎません。仕入れた商品・材料の中にも、
   陳腐化してしまったり盗難等によって、在庫が減少している場合も
   考えられます。
   ですので、正確な棚卸を行なうには、毎月実地棚卸をすることが
   求められるわけです。

4)上記1~3の業務を理解し、実行する現場担当者が必要
  →やはり、理論上は1~3の業務を実行しさえすれば、正確な数字が
   計上されますが、それもこれも、やはり現場でこれらの業務の必要性を
   理解し、実行してくれる担当者が必要です。

 以上の4点を実際に実行できている会社は、残念ながら少ないのが現状です。

 ですが、社内での在庫管理業務を確立しない限り、自社の経営が発展することが難しい! と言っても過言ではありません。

 在庫は利益を大きく変えてしまう力を持っています。
(なので、粉飾決算をしている会社の多くは、この在庫金額が異常値になってしまっているケースが多いです)

 まずは、経営者自身が、在庫がもたらす経営への影響を十分に理解する事が大切です。

 その上で、現場スタッフの協力を得ること。

 そして、現場スタッフと共に在庫管理業務を細分化して、一人一人が、持ち場の在庫管理 を徹底すること。

 在庫が正確にカウントされれば...、
・商品別の粗利益が正確に計上されます。
・毎月の会社の利益金額が正確に出ます。
・適切な経営判断が生まれます。
・正確な試算表・決算書ができます。

 みなさんの会社では、どのように在庫管理に取り組んでおられますか?
毎月の試算表に在庫管理の結果は正確に反映されていますか?

 今一度、自社の在庫管理ルールを確認してみて下さい。