vol.29 自社の業績管理

 先日、建設業の経営者とお会いする機会があり、自社の業績をどのようにチェックして おられるか?という話になりました。

 その経営者曰く、「うちのような業種は、業績がわかりづらいから、頭の中で資金繰り だけ計算しながら商売をしている」とのこと。

「試算表には毎月目を通されないのですか?」と質問すると「経理担当者に聞いてみると、 日ごろは、入出金を基準とした処理をしているのと、損益計算書についても、工事が 完成した段階ではじめて売上が計上されてるそうなので、私には、正直言ってあまり 理解できないんです。
 でも、本当は毎月の業績がどうなっているか知りたいんですけどね。」という回答でした。

   経営者から試算表を見せて頂いたのですが、日ごろたくさんの試算表に目を通させて 頂いてる私どもが拝見させて頂いても、本当に業績が良いのかどうか、損益計算書だけ では把握しづらい状況でした。

 業種にもよりますが、経理処理次第で、自社の業績管理は容易に管理できます。

   ポイントは3点です
1)発生主義で処理すること
 毎月の試算表を完成させるにあたって、その月に該当するであろう売上を計上すること
(先ほどの建設業の事例でいくと、請負工事の進捗度合いや工事期間を月数で割って  算出します)

2)期間按分を利用すること
 毎月支払う経費の中には、数ヶ月に一度や、年に一度しか発生しない経費もあります。
(保険料や賞与といった経費ですね。その他にも特定の月に多額の支出がある経費のこと です)
 これらの経費は、その月にのみ経費計上するのではなく、年に一度の経費であれば、 12分の1ずつ計上するといった方法をとって、毎月の経費計上を平準化すると、会社の 実態が把握しやすくなります。

3)費用と収益を対応させること
 これは、1)と2)の応用です。

 例えば、新店舗出店等の場合、店舗オープン前後の月に多くの支出が発生しますが、 これらについては、経費のみが発生して、売上が計上されていません。
 このようなケースの場合、出店後、売上の計上がスタートすると共に、数ヶ月~数年間に かけて経費化して処理するという方法が妥当といえます。

 建設工事等のケースでは、工事の進捗度合いと、経費のかかり具合にもばらつきが 見られると思いますので、売上計上と経費計上のバランスを踏まえて損益資料を作成して みるのもいいと思います。(但し、最終的に、工事が終わった時点で全ての売上、経費を 計上することになります。)

 皆さんの会社では、経営の実態をどのように把握しておられますか?

 試算表や決算書だけに依存することなく、自社の経営に活用できる資料作りを実践して みてください。