vol.31 貢献利益

 皆さんの会社では、「貢献利益」という考え方を活用しておられますか?

 実は、この貢献利益という考え方、社内での目標数値の管理において、有効に活用 できる方法として重宝されている利益なんです。

 貢献利益は、売上総利益から管理可能な経費を差し引いて求めます。

 では、「管理可能な経費」とはどのような経費なのでしょうか?

 それは、特定の部門ないし特定の個人を指定できる経費のことです。

 例えば、旅費交通費等のように、営業マン一人一人にかかる経費は把握できますので、 管理可能な経費に分類されます。

 更には、携帯電話を営業マンに貸与していたり、得意先との接待交際費も予算を 与えられている中で使える状況にあれば、誰がどのような経費として使ったのかは 一目瞭然です。このような経費を、管理可能な経費と言います。

 また、部門別で貢献利益を管理している場合は、その部門が賃貸している事務所の家賃、 機械や車等のリース費用といった経費も管理可能な経費に分類されます。

 要するに、部門や個人を特定できる経費=管理可能な経費と位置づけられるわけです。

 これに対して、「管理不能な経費」とは、特定の部門や個人ではコントロールする ことのできない経費を指します。その最たる例が役員報酬や間接部門の人件費です。

 これは、営業部門がいくら努力したところで、直接的に管理できない経費が対象と なります。

 このように、貢献利益の考え方を導入することで、自社でどのような部門、どのような 社員が実際に会社の利益に貢献してくれているのかが把握できるようになるわけです。

(例)営業マンA 売上200万、売上原価100万、管理可能な経費50万

  営業マンB 売上100万、売上原価 45万、管理可能な経費 2万

 このような営業マンが2人いた場合、どちらの営業マンが貢献社員と呼ぶにふさわしい と思いますか?

 営業マンAの場合、売上はBの2倍となっていますが、売上総利益率がBの55%に 劣って50%、管理可能な経費を差し引くと、貢献利益は50万円となり、Bの53万円 を下回ってしまいます。

 確かに、この数字を見ただけで全ては判断できませんが、貢献利益の観点から考えると Bの社員が会社への貢献度が高いと位置づけることができるわけです。

 会社によっては、このように特定の部門、特定の個人で利益を出すのは良くない! と考えておられる経営者もいらっしゃると思いますが(当然、それも経営スタイルの 一つだと思います)、一方では、この貢献利益を一つの判断材料として、試算表作成 の際に作成しておくことも重要な指標と位置づけられると思います。

 また、現場の社員にとっても、自分にとって数値目標を設定する際は、見える経費の 削減目標を立てる方が、目標が立てやすく、達成した場合の実感も得られやすいこと、 また社員に利益意識を浸透させる上でも重要な要素と言えます。

 導入方法は、今使っておられる会計ソフトでも取り入れる事は可能ですし、別途、 エクセル等を使って資料を作成することもできます。

 これを機会に、みなさんの会社でも「貢献利益」の考え方を導入してみてはいかが でしょうか。