vol.32 借入元金返済を減らしたいのに...

 M's FACTORYにお問い合わせを頂く方の中に、「銀行借入を見直す必要性のある中小企業」がいくつか出てきます。

 私自身は、基本的には「借入は返さなければならないもの」(当然ですが)として位置付けて いますので、中小企業が借入をきっちりと返済して、最終的には自己資金経営、若しくは、 会社で捻出できる利益の範囲内で借入元金返済を実施できるようにアドバイスさせて頂いています。

 ですが、大変残念ながら、これらの中小企業の意向を無視して、自分本位な融資提案をして おられる銀行担当者が数多くいらっしゃるのも現実です。

 先日も、既存の借入の見直しを検討しておられる中小企業のA社長とともに、メインバンクの B銀行担当者にお会いし、融資内容の見直しを行うように打診しました。

 私「現在の約定返済だと毎月の返済が重たいので、元金返済金額を
   減額させたいんです。
   つきましては、現在貴行から融資して頂いている借入の
   a(借入残高1,200万円、毎月30万円返済)、
   b(借入残高1,800万円、毎月55万円返済)を一括返済して、
   新たに運転資金を調達して、手許資金を潤沢にしつつ、現状の
   返済元金を減らせる提案をしてもらえませんか?」

 銀行担当者「わかりました。では、cというプランはどうでしょうか?」
 ということで、借入提案cの内容をお聞きすると、借入総額が6,000万円の5年(60か月) 返済というプランでした。

 毎月の元金返済額は100万円です。

 私「なぜ、この提案なのですか?」

 銀行担当者「手許資金を潤沢にしたいんですよね?毎月の元金返済も今と
       そんなに変わりませんよ。何か問題ありますか?」

 A社長「今、M'sさんの話聞いてた?借入の元金を減らす為って
     言ってくれてたでしょ?」

 銀行担当者「大丈夫ですよ社長。また返済に困ったら貸しますから」

 という銀行担当者からの返事。

 大変残念ながら、後日メインバンクを他行(C銀行)に変更する結果に至りました。

 C銀行の変更理由は、A社長の意向を踏まえて、元金返済を見直し、M's Factory から提出した財務分析資料をもとに、会社の営業利益やキャッシュフローで返済できる範囲の 融資を実行してくれたからです。

 その後、A社長の会社の資金繰りは無事に安定しました。

 みなさんの会社のメインバンクの担当者は、どのような姿勢で御社と接してくれていますか?

 できれば、C銀行の担当者のように、会社の財務状況を踏まえて、適切な融資を実行して くれる方に担当してもらいたいですよね。

 中小企業側としても、融資の話は銀行に任せきりにするのではなく、しっかりと自社の財務状況 を分析して、銀行にどのように協力して欲しいのか、財務方針を明確にするべきだと思います。