vol.38 顧客別利益による管理方法

 会社の中には、顧客別の管理として、顧客別の売上、商品原価、売上総利益(粗利益) までは、管理しておられる会社も多いことと思います。

 ですが、顧客と取引するのにかかる費用は、何も商品原価だけではありません。

 顧客にかかっている経費を列挙していくと、その顧客との取引を継続するにあたって、 かかっている経費を算出することができます。

 すなわち、顧客ごとの利益が算出できるというわけです。

 実際に売上ごとに区分していくと、売上シェアの高い会社が、顧客別の経費を含めた 利益で比較してみると、意外とシェアが小さくなっているケースもよく出てきます。

 大切なのは、売上ではなく、利益です。

 また、この話は既存顧客に関してだけの話ではありません。

 新規顧客についても同様の考え方が必要で、売上から商品原価だけでなく取引にかかった 経費を差し引いた利益で確認することが重要です。

 そして、さらに重要なのが、新規顧客を獲得するのにかかった経費をどの段階で回収 するのか、という問題です。

 よく、新規顧客を獲得するために、足しげく通いつめて、接待交際費を多額に投資する ケースを聞きますが、それについても「投資した金額をどこで回収するか?」が大事に なります。

 皆さんの会社では、お客様ごとの利益管理をしておられますか?

 大切なのは売上ではなく、利益であるということ、そして新規顧客については顧客との 契約に際して先行投資した費用をどの段階で回収するのかを前提に、営業活動を管理して みて下さい。

 数字面で大切なのは、「売上ではなく利益」です。

vol.37 効果的な在庫管理の数字活用法

 中小企業の多くは、「棚卸」という大切な仕事があります。

 飲食業、理美容業、製造業、卸売業、小売業などなど、多くの会社では、この棚卸 という仕事が欠かせません。

 これは、会社の商売の原点とも言える「売上総利益(通称:粗利益)」の設け度合い (売上総利益率、粗利益率)を確認するために、必要不可欠な業務といえます。

 ですが、多くの会社では、残念ながら棚卸を毎月実施している会社が少ないのが現状 です。

 そのような会社については、四半期か半期に一度でもかまいませんので、是非棚卸を 実施して頂きたいと思います。

 確かに、労力は要しますが、棚卸には次の効果が見込まれます。

①正確な、売上総利益率が把握できる
②不良在庫の確認、削減ができる
③帳簿の在庫と、実際の在庫との差異がチェックできる
④不正防止につながる
⑤在庫数をチェックすることで、過大な仕入を未然に防げる
⑥商品・材料の発注に対する社内での意識が高まる
 といったような内容が挙げられます。もちろん、一番の目的は①ですね。

 では、どのように毎月の売上総利益率を月次試算表に反映させれば良いのでしょうか?

 それは、実地棚卸と帳簿棚卸を併用する方法を採用するのです。

 例えば、3ヶ月に1度、棚卸を実施する会社があるとします。

 ・実地棚卸...3ヶ月目、6ヶ月目、9ヶ月目、12ヶ月目
 ・帳簿棚卸...上記以外の月

 このように、実地棚卸以外の月は帳簿棚卸をするわけですが、この際に、直前の 実施棚卸の率を参照して、帳簿棚卸を実施する方法を採用します。

 これにより、若干の誤差は出てはきますが、より実態に近づいた売上総利益率を算出する 事ができるわけです。

 もちろん、棚卸は毎月実施することに変わりはありませんが、現場での労力を踏まえると、 このような方法を取り入れることで、より毎月の数字の正確性が増すのではないでしょうか。

 みなさんの会社や店舗では、在庫管理に取り組んでいますか?

 決算の時だけ、仕方なくするのではなく、経営する上で大切な仕事の一つという意識に 切り替えて、棚卸を実施して下さい。