vol.40 間接部門の人員は、何人が適正なのか?

 お客様と経理・財務に関する打ち合わせを重ねていると、間接部門である、経理・財務・ 総務部門にどれだけの人員、どれだけの人件費を割くべきなのか?という話になります。

 営業現場や、工事現場、工場の現場などの適正人員については、現場上がりの経営者が 多いので、現場での生産性を上げる点については、経営者の判断が頼りになりますし、 「人員が不足している」「人員が過剰気味」等、現場の従業員数については、経営者や 幹部の方々の目が行き届きます。

 ところが、いざ間接部門となると、どれだけ忙しいものなのか、どれだけ手間がかかる ことなのか?が把握しきれません。

 なおかつ、間接部門に人を入れたからと言って、売上・利益に直結するわけでもない。

 このため、間接部門の適正人員に対する判断を躊躇してしまう経営者が多いと思います。

 会社によっては、「間接部門の人員(人件費)は、直接部門の1割」としておられる会社も ありますが、はたしてそれが全ての会社で適用できることなのでしょうか?

 私は、経理・財務・総務に関する適正人数を決定するにあたっては、必ず、以下の3点の ことを確認するようにしています。

①現状の業務量及び業務フローの確認

 実際の業務内容を確認します。経営者によっては「よくわからないから」 と言って、敬遠される方もいらっしゃいますが、幹部の方や外部の専門家と 一緒にヒアリングして頂くことが、一番の近道だと思います。
 その中で、必要な業務、不要な業務の振り分けを行います。
 実際は、2人でこなしている仕事が、実は1人でも十分こなせる量だったり、 また、その逆の事例も出てくることがありますが、人員の観点から考える だけでなく経理・財務・総務自体の合理化策も検討します。


②経営者が欲しいデータ(資料、情報)は何か?

 次に、経営者が欲しい資料・情報は何か?を確認させて頂きます。
「前月の数字情報を翌月10日までに知らせてほしい」「常に、向こう 1ヶ月間の資金繰りの見通しを教えてほしい」「日々の売上、粗利益情報を 教えてほしい」といったように、経営者が、経営をするにあたって欲しがっている 情報が何かを確認します。
 そして、それに必要な情報・資料を作成するのに必要な業務量・時間を確認します。


③リスクヘッジが考えられているか?

 これは、中小企業に多いのですが、経理担当者を1名だけおいて、その人に 全ての仕事を担当させているケースが、よくあります。
 実際に、業務処理量も小さく、①②に記載した業務をこなしても余裕が あるのであれば、大きな問題ではありませんが、ある程度の業務処理量に なってくると、特定の従業員に経理・財務・総務の全ての業務を任せている ことはリスクです。
 仮に、その従業員が病気・怪我で長期療養したり、勤務形態の変更を希望したり、 急に退職する事態になった場合のことを考えると、会社としては、そういう事態に 陥る前に、前もって予防対策を講じなければなりません。
 また、業務を処理するのは人間ですから、1人に任せるのではなく、複数名で チェックする体制を構築することも必要です。

 このように、①②③を考えた上で、配置された人員が会社としての適正人員と言えます。

もちろん、会社の予算や①②③の優先順位の度合いにもよりますので、一概に特定はできません。

 大切なのは、①②③について、定期的に見直しをする機会を設けるということです。

 みなさんの会社でも、間接部門の業務見直し、人員見直しの機会を定期的に設けてみては いかがでしょうか。

vol.39 バランススコアカードにおける『財務の視点』

 M's Factoryでは、「財務」をキーワードに、お客様となる中小企業の財務面の
コンサルティングを実施しています。

 具体的にどのような業務に携わるかというと、

①経理システムの見直し業務

 現状の経理処理状況を分析させて頂き、社長に経理改善ポイントを報告。

 経理業務の精度を上げることはもちろんですが、経理自体の業務効率を上げる
 方法を提案・改善していきます。

 この段階で、会計ソフトの活用法についてもレクチャーさせてもらいます。

 私の経験から言わせてもらうと、3ヶ月ほどの時間を頂ければ、経理システムを
 改善することは可能ですね。ただし、社長と経理担当者の双方にやる気があるのが
 前提条件ですが(苦笑) 

②予算設定、進捗管理業務

 経理が稼動するようになると、今度は予算設定を実施します。

 社長からすると、やはり自社の目標(今期の決算の着地点はどれぐらいなのか?)
 が気になるところですので、予算と実績の対比を行い、進捗管理を実施します。

③月次財務報告業務

 ①②を踏まえて、毎月1回、社長や幹部、経理担当者を交えて、月次財務報告を
 行ないます。

 一番多いのは、役員会での報告です。「うちは役員会をしてないんだけど...」
 という会社もありますが、そういうケースでは、これを機会に役員会を定期的に
 開催するようにしています。

 我々のような第三者が入ることで、客観的な報告が可能になります。

④金融機関への情報開示、借入内容の見直し折衝業務

 財務コンサルをしていて、よくあるのが、金融機関との交渉です。今まで、数多くの
 中小企業の財務面を見てきましたが、金融機関の言いなりになっているケースを
 たくさん見てきました。

 やはり、金融機関とは友好関係を築きつつも、協力してもらうべきところは
 協力してもらう、いわばWin-Winの関係が重要となります。

 この業務では、四半期ごとの情報開示業務と、借換交渉などを行ないます。
 なお、借入交渉を行なう際に、銀行担当者から、いくつか資料を出すように
 言われ、忙しい時間を割いて、嫌々資料を作成しておられる会社も多いかも
 しれませんが、これらの資料は、当社の月次財務報告書でほぼ全てといって
 いいぐらい、カバーできるようになっていますので、資料作成自体が、非常に
 簡単になります。

⑤幹部、社員への財務研修(数字に関する研修)

 経営者自身が数字をわかっていたとしても、経営幹部や社員にも数字に対する
 意識を高めてもらわなければ、本当に数字に強い会社とはいえません。

 そのような会社向けには、財務研修という場を借りて、数字に関する研修をする
 機会を頂いています。

⑥会社で加入すべき生命保険の見直し

 私自身が、生命保険の専門課程の資格を持っていることもありますが、会社で
 加入すべき生命保険の見直しも行なっています。これは、会社の必要保障額
 (会社で入っておくべき生命保険の保障金額)と、会社の財務状況を照らし
 合わせて、適正な保険を提案する業務です。

 場合によっては、生命保険会社の方に協力して頂いて、会社で生命保険に関する
 勉強会を開催することもあります。

⑦経営に関連する専門家の紹介

 仕事柄、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士、といった
 いわゆる士業(サムライ業)の方々を、会社に紹介するサービスです。

 会社を経営していると、いろんな専門家の力を借りなければならない機会が多数
 ありますので、必要な機会に、必要な専門家をご紹介させて頂いています。

⑧上記の項目に関連する財務改善プロジェクトへの参加

 売掛金の未回収債権の回収プロジェクト、経理担当者の引継ぎプロジェクト、
 新店舗出店時の経理業務確立プロジェクト、といったあたりです。

 このほかにも、財務に関連するプロジェクトにも参加させてもらう機会があります。

 ざっとあげただけでも、これだけの業務に携わっています。結構ありますね。

 ですが、私自身はお客様の会社が、財務面が改善され、ひいては会社経営が
 軌道にのっていくステップを見るのが、自分自身にとってのやりがいに
 なっていますので、日々いろんな業務に関わらせて頂いて、非常に楽しい毎日を
 過ごしています。

 最近、多くの会社で取り入れられている、「バランススコアカード」においても、 『財務の視点』が非常に重要視されており、この点から考えても、中小企業にとって 『財務』は強化すべき項目といえるのではないでしょうか。

 今後も、中小企業のCFO(Chief Financial Officerの略、最高財務責任者)の役割を 果たすべく、日々精進したいと思います。