vol.42 正確な利益を知っていますか?

 みなさんの会社は、どのようにして毎月の利益を把握しておられるでしょうか?

 先月は黒字だった!赤字だった!というだけの経営者もいれば、先月は○○万円の 黒字だった!●●万円の赤字だった!という具体的な数字で利益を捉えている経営者も いらっしゃると思います。

 では、実際に経営者自身が把握している毎月の利益金額は果たして、正しいもの なのでしょうか?

 正確な利益を出すには、以下の3つの項目を満たしていることが必要です。


①売上・売上原価を〆日通り計上しているかどうか?

 決算の時に、経理担当者が行う仕事なのですが、「帳端」(帳簿の端数)の数字を拾う という作業があります。

 これは、例えば3月31日決算の会社の場合、毎月10日や20日で売上を締めている 得意先が存在している場合、10日〆の得意先では11日から31日まで、また、 20日〆の得意先は21日から31日までの売上を拾い出して、売上に加えるという 処理を行う作業のことです。

 要するに、毎月の売上を正確に計上するとなると、この帳端の数字が的確に計上されて いるかどうかが判断基準となります。

 ※この場合、得意先ごとに帳端を入力するよりも、〆日のグループごと(10日〆の グループ合計、20日〆のグループ合計)で入力して管理すると効率的です。

 そして、これは売上に限った話ではありません。

 売上に対応する売上原価についても同様です。売上計上に伴って発生している原価に ついても、同様に帳端を計上することで、はじめてその月の正確な売上総利益が算出 されます。


②経費は発生基準で計上しているか?

 上記の①については、結構処理がなされている会社が多いと思います。  では、経費についてはどうでしょうか?

 例えば、クレジットカードを利用した経費であれば、カードの引落日に経費計上して いる会社も多いと思います。

 ですが、正確な利益を知ろうと思うのであれば、経費は発生した月に計上すべきです。

 また、経費の請求書が送られてきているにも関わらず、支払った時に経費計上して しまうと、同様に「経費が発生する月」と「経費を支払った月」が異なる場合に、 結果として利益金額にズレを生じてしまうことになります。

 経費は支払った時ではなく、経費が発生した月で計上することが必要です。


③年払いの経費や、年に一度発生する経費は月割りして計上しているか?

 ①②を満たしているのであれば、次は「経費の月割計上」に注目する必要が
あります。

 これは、減価償却、繰延資産償却、保証協会保証料の償却、貸倒引当金の繰入計上、 といったように決算時に一括で計上することの多い経費を、予め1か月ごとに経費を 割り振って計上していくというものです。

 また、賞与の支給や、年に一度行われる社員旅行、年払いの保険料といった多額の 経費支出を一度に行う経費についても同様です。

 このように、経費の月割計上を行うことで、毎月の経費予測がやりやすくなります。

 皆さんの会社では、毎月の利益をどのような基準で出しておられますか?
 ①②③いずれの処理も行っている会社であれば、本当に正確な利益を出していると いえます。

 逆に、①②③のいずれかを未実施の会社は、正確ではない利益を、毎月見て、経営判断 を行っていることになります。

 正確な利益からは、正確な経営判断が可能になります。
 正確ではない利益からは、誤った経営判断を行ってしまいかねません。

 今一度、自社の経理システムを見直して、正確な売上、売上原価、経費、利益を 把握できる状態を目指しましょう。

vol.41 ゼロベース予算の考え方

 予算設定の方法に、ゼロベース予算という方法があります。

 これは、主流となっている予算設定方法が前年度の内容をもとに作成しているのに対して、 ゼロベース予算では、文字通り、前年度の内容に一切とらわれず、ゼロから新しい予算を 作っていくというものです。

 当然、一つ一つの勘定科目における予算を確認していくわけですから、労力を要しますが、 企業にとっては大切なことです。

 このゼロベース予算は、何も固定費を削るためだけのものではありません。

 本当にかけるべき経費は何なのか?削るべき経費は含まれていないのか?といった点を 検証するために必要な考え方だと思います。

 大切なのは、経費の使い方に対して「なぜ、その経費を使うのか?」という疑問を 持つことです。

 経費というのは、売上・利益を上げる為の方法です。もちろん、福利厚生などの違った 一面も兼ね備えてはいますが、一番の目的は売上・利益につなげることです。

 目的のない経費の支出や、費用対効果のない経費の支払にについては、過去の慣例に とらわれない事(固定観念を捨てること)が大切です。

 ちなみに、このゼロベース予算の考え方は、経営計画を考えたり、会社組織の見直しを する際にも有効ではないかと思います。

 人間は不思議なもので、物事や環境、人間関係に慣れを生じてしまいます。

 慣れてくると、緊張感が失われ、業務が非効率になったり、場合によってはミスを してしまいかねません。

 そのような時に、経営者自身が、過去からの慣例で物事を判断するのではなく、これから 将来実現しようとしているビジョンに向けて、必要な組織、必要な経費、必要な設備は 何なのかを考えて、経営判断を下す事が大切だと思います。

 というのも、経営者自身が過去の慣例に捕らわれていると、従業員もそれを見て いますので、どんどん悪い方向に組織が動いていってしまうのです。

 そう!原因は自分自身にあるわけです。

 当社でも、ここ数ヶ月で、どんどんいろんな見直しを行なっています。

 おかげさまで、固定観念を捨て、考え方を変えることで、社内に存在していた無駄や 不要な経費を削減することができています。

 と同時に、かけるべき経費にはどんどん予算を割り当てられる環境になりつつあるとも 実感しています。

 もちろん、全てにおいて愛情を持って物事を見極めることも大切です。

 単純にコストカッターになるだけでは、長期的に見て、良い効果は出ないと
思います。

 みなさんの会社でも、悪しき固定観念が蔓延っていませんか?

 会社の財務を通じて、時代に合った組織作り、経費のかけ方に取り組んでみて
下さい。