vol.53 経費の優先順位を決める

 ここ最近、大手企業からも、続々と赤字転落の記事や、赤字決算の見通し発表、 または倒産、民事再生、といった記事が出てきています。

 そして、当然のごとく「リストラ」計画が発表され、実行に移されようとしています。
(ちなみに、リストラという言葉は、正式にはリストラクチャリングと言います。
 しかも、この言葉自体の本来の目的は、「事業の再構築」ということです。
 いつの間にか、日本では誤解されて、リストラと聞くと、人員削減を含めたマイナスの 印象しか抱かないのですが...)

 実際に、多くの中小企業でも、今、慌てて経費の見直しやコストカットに取り組んでいる 会社が多いのではないでしょうか?

 もちろん、会社である以上、黒字経営は絶対ですので、売上が上がらない以上、コストを 見直しするのは当然の策だと思います。

 ですが、これらは、赤字に陥って初めて取り組むものではなく、日頃から取り組んでおく ことが必要です。

 では、どのように対応すればいいのか?その答えは、「変動費・固定費に対する会社の 方針を明確にすること」ではないかと思います。

 例えば、人件費です。
 人件費には、役員報酬や、給与・賃金(社員・パート・アルバイト)、 賞与、法定福利費(社会保険、労働保険)、福利厚生費、退職金、退職共済掛金、といった 項目が挙げられます。

 そして、この中で経費削減を検討する場合、削減対象の優先順位や削減金額・削減割合を 事前に決めておくことが重要になります。

 しかも、赤字になった段階で実行するのではなく、黒字の段階で(例えば売上や売上総利益 に対する人件費の割合や、人件費としての合計金額を決めておいた上で)事前に経費見直しに 取り組むことがポイントです。

 仮に、労働分配率(売上総利益に占める人件費の割合)を60%と決めているのであれば、 そのパーセンテージを維持できなくなった場合、優先的に削減対象とするものは何なのか? ということを明確にしておけば、常に経費に対する意識が売上・売上総利益との対比で検討 されるので、大幅な赤字に陥る可能性が低くなります。

 皆さんの会社では、経費に対して、どのような方針を持っていますか?

 絶対に守らなければならない経費、売上・利益状況によって増減できる経費、といったように 会社の中で発生している経費に対する方針や、増減する場合の優先順位・金額内容を明確にして変動費・固定費を管理してみて下さい。