vol.55 財務体質強化の前提は経理システムの確立  

 これまで、多くの中小企業の財務面のアドバイスを行っていますが、財務体質を強化していくにあたっては、主に以下の内容の改善活動を実施します。

1.決算書(貸借対照表、損益計算書)の問題点分析
2.全社別、部門別、商品別損益分岐点分析
3.キャッシュフロー分析
4.金融機関の借入内容分析
5.予算設定、進捗管理
6.月次財務状況の分析

 これらの内容を分析し、具体的な改善課題を抽出し、具体的な改善活動に結び付けることで、財務改善を目指します。

 ですが、これらの改善ステップを踏むにあたって、やはり必要となるのが経理システムの確立です。

 というのも、勘定科目の整理、補助科目の活用がきちんとなされていない場合や、債権管理や借入・リース契約の管理がなされていない場合など、経理自体が機能していないと、結果として問題や原因の追及も困難になりますし、具体的な改善にも着手しづらくなってしまうからです。

 この「経理システムの確立」、一見難しそうに思いますが、要は、仕組みとルールをいかに作るかにかかっています。

 例えば、勘定科目についても、どのような経費をどのような勘定科目で使うか、そのルールを決めて、経営者と幹部、経理担当者の間で共通認識を持っておくことが重要です。

 また、補助科目についても、予算に活用できるような使い方を心がけることで、勘定科目ごとの傾向が把握しやすくなります。

 このように、勘定科目のルールや補助科目のルールに加えて、経費精算のルール、売上計上・経費計上のルールも明確にするだけで、おおよその経理業務がルーチン化できますし、それらを発展させた部門別・商品別といった管理も可能になるわけです。

 そして忘れてはいけないのが、経理システムの見直しにあたっては経理担当者に負荷をかけないことも、ポイントです。

 管理項目やルールを追加しすぎたために、結果として運用が難しくなってしまったり、経理担当者に極度の負荷がかかってしまっても意味がありませんので。

 というわけで、結論としては「財務改善を行うには、まず土台となる経理システムをしっかり構築すること」が自社の財務体質強化に向けての第一ステップとなります。

 皆さんの会社では、経営に役立つ経理システム、業務効率の高い経理システムになっていますでしょうか?

 今一度、自社の経理システムを見直して、財務改善につなげていきましょう。