vol.60 経理を合理化したその先には?

 最近は、「経理を合理化する」ということについて、
いろんな経営者の方からお問い合わせやご相談を頂きます。

 そもそも、経営者にしてみれば、経理というものは
よくわからない仕事です(これは、経理畑出身の経営者が少ないのが
最大の理由ですね)。

 また、経理担当者にしてみても、自分の型を変えるということ
そのものにすごく抵抗感を感じる方が多いのも事実です。

 伝票を手書きし、一生懸命会計ソフトに入力して、
試算表の科目一つ一つの残高を合わせるという行為そのものが経理!
という価値観が根強くあるようです。

 会社によっては、小口現金や営業マンの経費精算をするためだけに、
経理担当者が一か月のうちで大半の時間を割いているというところもあります。
 確かに、これまでの経理はそれが普通・一般的とされてきました。
 ですが、経理本来の目的は「経営管理」にあります。
 経理=経営管理の略称(最初と最後の文字をとって経理)という考え方が
あるほどですからね。

 要するに、経理という業務そのものは、企業経営に役立つ情報を
提供する存在でなければならないということです。
 ですから、試算表を仕上げる業務自体を極力効率化して、
それ以外の業務で、例えば

・会社全体の予算や資金繰り計画を考えたり、
・商品別・部門別・店舗別・個人別に予算管理を実施したり、
・経営者の考えるビジョンと財務計画をマッチングさせたり、
・金融機関の借入の見直しを図ったり、
・会社の変動費・固定費の見直しや削減を検討したり、

などなど、経理部というよりも財務部としての業務に時間を費やしてもらうことが、
本来の経理担当スタッフの役割ではないかと思います。

 そういう仕事は苦手だ!という経理担当者もいらっしゃるかと思いますが、
そのような性格の方でも、余った時間を使って、営業事務などの業務を
フォローしてもらう等、純粋な経理業務以外の部署でも十分に力を
発揮できます。

 よく考えてみてください。経理・数字を理解している人が
営業現場にいるだけで、見積もり金額のチェックや債権回収で
どれだけ力になることでしょうか。

 みなさんの会社でも、経理担当者がどのような業務に時間を
費やしているか把握しておられますか?

 ただ単純に経理システムを合理化するだけでなく、そこで働く経理担当者が
イキイキと働ける環境を整備することも経営者の大事な仕事です。

 経営者自身が、「経理はよくわからない」で済ませてはいけません。
 しっかりと経理担当者、そして経理業務と向き合い、会社として
とるべき改善措置を講じてこそ、企業財務は改善できます。