vol.64 どこでも活用できる月次財務報告書を作っておこう!

 ここ最近もいくつかのお客様の財務情報を金融機関に開示し、
借入の見直し交渉を実施させて頂きました。

 結果としては、いずれのお客様も(もちろん元となる営業成績が
素晴らしいからですが)取引金融機関から良い条件での融資実行・借入の
見直しを実行することができました。

 交渉した私自身が言うのも何ですが、すごく良い条件でした。

 このように、取引金融機関から良好な条件を引き出そうと
考えるのであれば、やはり情報開示が必要不可欠です。

1 毎月の売上、粗利益、固定費、経常利益についての情報

2 上記 1 の予算と実績対比、昨年度対比

3 一人あたり生産性(売上、粗利益、人件費)

4 変動費、固定費の各科目ごとの動き

5 資金繰り実績+計画、キャッシュフロー計算書

6 借入返済明細一覧表

といった財務情報に加えて、
・予算設定の根拠

・試算表における主要勘定科目の内訳

・減価償却や賞与等の経費の月割計上の有無

等の情報も資料に掲載しておくと、金融機関からは好評価を得られます。

 また、M's FACTORYが提供する月次財務報告書は、
・経営者が自社の成績を確認するための資料として

・社内幹部だけが集まって会議を行う際の、経営資料として

・中堅、若手社員が固定費削減に向けての話し合いを行う際の会議資料として

・取引金融機関に提出する情報開示資料として

といったように、中小企業の財務情報に関わる方々のいずれにとっても、
有用な資料構成になっています。

 会社によっては、会議ごとに使う資料をわざわざ分けて、それぞれ
個別対応で、別々の担当者が(営業会議の数字は営業課長が作成し、
全体の数字は経理担当者が作成、金融機関との交渉資料は財務担当者が作成、
といったように)手間をかけて資料を作っておられる会社もあるようですが、
それ自体が非効率ですし、おまけに数字の整合性も取れない場合も
ありますので、このような方法はオススメできません。

 間違ったデータをもとに会議をしても、そこから導き出される
経営判断自体が間違ったものとなってしまいます。

 みなさんの会社では、財務情報をどのように作成・活用しておられますか?

 誰が、どのような情報を欲しがっているか、どのような情報が必要なのかを
確認した上で、財務情報を社内外に開示できるよう、経理システムの合理化・
財務データの収集・加工を行って下さい。

vol.63 借入の元金返済を猶予する目的

 昨今の経済不況の影響を受け、借入の返済について、元金据え置き
(元金の返済を猶予してもらい、利息だけ払う)を検討しておられる
中小企業経営者も多いことかと思われます。

 同時に、元金返済の据え置き等のリスケジュールを金融機関に申請した場合、
今後の追加融資が難しくなることを懸念しておられる経営者も
多いかと思われますが、資金繰りを考えると、背に腹は変えられないのも
事実です。

 確かに、借入の元金返済自体は、経営状況が厳しい時には、資金繰りを
圧迫する大きな要因であることは確かですが、実際に元金返済自体を猶予して
もらったところで、経営や資金繰りが大幅に改善するわけではありません。

 資金繰り表でいうところの営業収支、キャッシュフロー計算書で
いうところの営業キャッシュフローをいかに改善するかが経営を
再建していく上で、重要となってきます。

 そして、猶予してもらっている間に、損益状況や資金繰りを改善し、
猶予期間終了後には、健全に借入元金を返済できる経営状態にまで
持っていかなければなりません。

 では、そのために、何をどのように改善していくのか?

 当然のことですが、一つは「損益計画の見直し」、もう一つは
「資金繰り計画の見直し」です。

 損益計画の見直しでは固定費の見直しから行います。
人件費、営業費、事務所・工場・店舗維持費、償却費、金融費用、諸経費
といった内容にカテゴリーを区分し、ぞれぞれの項目で見直しを行います。

 その一方で、売上計画、限界利益計画についても商品別、得意先別、
地域別等、ただ単純に全社目標数値を決めるだけでなく、
直近の傾向やデータを踏まえ、根拠のある目標計画に細分化を行います。

 このように検討した売上計画、限界利益計画、固定費計画を持ち寄り、
最終的にどれだけの経常利益を生み出せるかを確認します。

 適正な経常利益を出せると判断できた場合は、あとは資金繰りの検証を行い、
元金返済猶予期間でどれだけのキャッシュが貯められるのか、
また元金返済再開後でも、資金繰りは順調に推移するのかを検証します。

 一方で、損益計画の段階で、適正な経常利益を出せないと判断できる場合は、
売上計画、限界利益計画、固定費予算の見直しを再度実施しなければ
なりませんし、損益計画では利益が出ていても、債権の回収サイトや
債務・経費の支払いサイトの関係で資金繰りが好転しない場合は、
得意先や取引先との支払・回収サイトの交渉を行う等の措置を取らなければ
なりません。

 いずれにせよ、元金返済を猶予することは、あくまで
延命措置でしかありません。
 その延命措置が取られている間に、経営改善策を具体的に検討した上で、
数字で結果を出していくことが求められます。

 取引金融機関に、元金返済の猶予を望む場合は、
これらのことを踏まえた上で、金融機関との交渉を行ってください。