vol.65 固定資産の見直しをしていますか?

 資金繰りの問題に直面すると、大手上場企業・中小企業といった
企業規模に関係なく、変動費や固定費の見直し、資金調達・借入返済の見直し
といった点がクローズアップされます。

 当然、変動費・固定費の削減に努めることで、出て行くキャッシュは
減りますし、新たに資金を調達して手許資金を増やしたり、借入元金の
返済方法を見直すことでキャッシュの流出を食い止めることも可能です。

 ところが、これらの財務改善方法に加えて、意外と忘れられているのが、
固定資産の見直しです。

 一般的に、「固定資産」と聞くと土地や建物、機械や車両といった点が
イメージされます。

 もちろん、これらの有形固定資産についても、利用頻度の低いもの、
リースやレンタルに移行できるもの等、見直し次第で売却して手許資金を
潤沢にするのも一つだと思いますし、これらの有形固定資産を売却・処分
することで、固定資産税や償却資産税といった税金も削減できますので、
将来にわたっての固定費削減策とも位置づけられる点がメリットと言えます。

 次に、無形固定資産についてですが、この分野の勘定科目は、
主に権利関係の費用が多いので(電話加入権、施設利用権、工業所有権、
営業権、借地権等)売却して資金を捻出する効果は低い場合が多いですが、
ソフトウェア等、売却次第で手許資金が増える可能性のある資産も
ありますので、確認が必要です。

 更に、固定資産の見直しで忘れてはいけないのが、「投資その他の資産」です。
一般的には、投資有価証券、関係会社株式、出資金、差入保証金、長期貸付金、
保険積立金、長期固定性預金、といった勘定科目が挙げられます。
 最近では少なくなりましたが、ゴルフ会員権等もこの分野でよく見かける
勘定科目です。

 この投資その他の資産にある勘定科目については、ビジネスに
どのように貢献している投資かどうか、判断の見極めが必要です。

 保険積立金等については、手許資金が潤沢なケースの場合は契約を
継続しても差し支えありませんが、資金繰りに苦慮している場合は、
保険の解約返戻率を確認した上で、解約・減額・払い済み等の処置をとり、
全額損金タイプの掛け捨て保険に加入する等して、最低限の保障のみを確保して、
手許資金の確保と固定費削減を行うのも一つの方法です。

 長期固定性預金についても、定期預金としてキャッシュを
寝かしておくのではなく、解約後、当座・普通預金に組み入れて
手許資金に加えることもできます。

 投資有価証券、関係会社株式、出資金、差入保証金等の科目については、
出資・投資・保証金として支出していることでの費用対効果、
ビジネスに及ぼす影響を踏まえて、必要最低限に抑えることが大切です。

 このように、固定資産の見直しといっても、有形固定資産、無形固定資産、
投資その他の資産の内容に応じて、見直す分野は多岐に渡ります。

 皆さんの会社では、必要最低限の固定資産のみに資金が使われていますか?
 自社の固定資産の中で、利用価値が低くなったものや利用頻度が
少なくなったものがないか、今一度、検討してみましょう。